ハンターのレインブーツを初めて見たのは、20年近く前、近所にあったエクステリアデザインのお店でした。
店内のガーデン雑貨の中にこのブーツをみつけた瞬間(なにこれ、可愛い!)と飛びついてしまったのですが、
値札を見て (長靴にこの値段?)と正直驚きました。
今でこそ専門店を見かけることもあり、すっかり有名ブランドになった感がありますが、
当時は(少なくとも田舎では)まだあまり見かけることが無かったハンターのレインブーツ。
お店の方からは「ハンターはスコットランドの老舗ブランドで、英国王室御用達として指定されているんですよ。
この長靴は、すべてのパーツが手作りです。」と聞いて、初めて(あー、だからなのね)と、その値段にも頷くことが出来ました。
とはいえ、その場で即決は出来ずにお店を後にしました。
その後も買おうか?どうしようか?と長らく悩んだ挙句に、ようやく決心して手に入れたレインブーツが、今ではすっかりヴィンテージ感満載に育ってくれました。
私はガーデニング専用に購入しましたが、街でおしゃれに履きこなしているハンターオーナーを見かけると、それだけで親近感を覚えてしまいます。
街歩きに選ばれるデザインと履き心地 - HUNTER(ハンター)レインブーツ


ハンターブーツのデザインは、シンプルで飽きがこないブリティッシュトラッド。
足首に向かって細くなっている分、すっきりしていて子供っぽく見えないので、街歩きにぴったりです。
パンツインしても、上品でスマートな印象になり、どんな服装にも合わせやすいと思います。

履いてみると足首に適度なホールド感があり、とても動きやすいのが特徴です。
全体的に脚にフィットし、家庭菜園で土を掘り起こしていても、履き口から土が入り込んだりしません。
ハンターはゴムの継ぎ目が無く形成されているそうで、レインブーツの機能として当然と言えば当然ですが、防水性は文句なし。
大雨の日も雪の日も、大活躍です。
ちなみに靴底のグリップ力が強いので、雪の日でも安心して履けると思いますが、
防寒性という点では、ボアなどが付いた防寒ブーツには勝てません。
雪の日の防寒は保温靴下、断熱靴下で対応するしかなさそうですね。
ちなみにブーツのサイズは、お店の方のアドバイスに従って、ジャストサイズの23cm(UKサイズ4)を選びました。
ハンターは1センチ刻みのサイズ展開になっているので、普段23.5cmを履いてみえる方でしたら、
厚手の靴下を履く場合も考えてワンサイズ上の24cm(UKサイズ5)を選ぶのが正解だということです。

脚にフィットする分、スルッと履いたり脱いだりはしにくいのが、正直なところです。特に脱ぐ時は、手で引っ張り脱ぐ感じ。
これを面倒だと感じるかどうかは人それぞれですが、私はハンターはこういうものだと思って履いています。
戦時には英国陸軍が過酷な環境下で活動するために採用していたと聞けば、納得のフィット感です。
激しい雨降りや水たまりにも躊躇なく進んでいけますし、ぬかるみに入り込んだ時に簡単にすっぽ脱げてしまうような長靴では使い物になりません。
なにより戦場での使用に耐え得るということは、ハンターのブーツがいかに頑丈に作られているのかが分かります。
傷もブルーミングも楽しんでいます - HUNTER(ハンター)レインブーツ

ハンターのブーツは天然ゴム製なので、表面に白いパウダー状の被膜が張る「ブルーミング」という現象が起こります。
私のブーツもかなり白っぽくなっていますが、それはそれで味わい深いと思っています。
専用の艶出し剤を使えば、ブルーミングが取れて元の艶が戻るらしいのですが、私は使ったことがありません。
艶出し剤を使っても、ゴムの寿命が延びる訳ではないと聞きました(メーカーに確認済)し、私は敢えてブルーミングをそのまま楽しんでいます。
本場英国でも、白っぽく傷が付いたハンターブーツはスエードの様な風合いがおしゃれだと、わざわざエイジングして履く人も多いのだとか。
古ぼけたモノに美を見出す文化は、日本人の「わび・さび」の心にも通じるものがありますよね。
履いて使って、置いて眺めて - HUNTER(ハンター)レインブーツ

長さのあるレインブーツを保管する場所って案外困りませんか?
私の場合は、いつも玄関わきの小さなテーブルの下に置いて、見える収納をしています。
風通しのいい場所で乾燥させておいた方がいいのと、使っていない時も見える場所に置いて眺めたいのとで、他のガーデニンググッズと一緒に並べています。
私のブーツは、ご覧の通りかなりのくたびれ様ですが笑、この先も穴が開くまで使いたいと思っています。
履きこんで傷が付き、艶もすっかり消えてしまったハンターのレインブーツには、アンティークのような魅力があるのです。