子供の頃、教科書で初めて見た時から「鳥獣人物戯画」が大好きでした。
なんともユーモラスで 生き生きと描かれた動物たちの姿には、とても心惹かれるものがあります。
国宝「鳥獣人物戯画」を所有しているのは、世界遺産である京都の「高山寺」です。
ずいぶん前から行ってみたいと思い続けていたのですが、
京都に行くことはあっても、人里離れた山の中にある「高山寺」までは足を延ばせずにいました。
もう3年ほど前のことになるのですが、とうとう願い叶って訪れた「高山寺」では、
ガラスケースの中に収められた「鳥獣人物戯画」を眺め、可愛いグッズも手に入れることが出来ました。
その中で一番のお目当てだったのが、扇子です。
「高山寺 石水院」で眺める「鳥獣人物戯画」

「高山寺」石水院には「鳥獣人物戯画」の一部が展示されていましたが、これは残念ながらレプリカ。
本物は、東京国立博物館と京都国立博物館に分けて保存されています。
(修復中は東京国立博物館に甲巻・乙巻・丙巻・丁巻の4巻全てが集結)
とはいえ、細長いガラスケースの中に収められている「鳥獣人物戯画」をじっくりと眺めることが出来て、とても満足しました。
ちなみに「鳥獣人物戯画」は巻物ですので、細長い紙に描かれています。
全巻合わせると長さ44mにもなるそうですよ。

こちらは最も有名な “カエルとウサギの相撲” を描いた場面です。
カエルに投げ飛ばされたウサギや、横で応援をしている?カエルたちが、動きだしそうなほど生き生きと描かれています。
「鳥獣人物戯画」は現代の漫画やアニメのルーツだと言われていますが、作者をはじめ謎が多いのです。
平安時代後期から鎌倉時代までの間に描かれたとされていますが、作者については何人かの名前が挙がっており、いまだに確証につながるものはないそう。
石水院には私とオットの他に人が居なかったこともあり、ガラスケースの前にへばりついて眺め放題でした。
日本最古の茶園で愉しむ一服のお茶

「高山寺」は「鳥獣人物戯画」で有名なだけでなく、日本で初めて茶葉が栽培された場所としても知られています。
その昔、「宋」から持ち込まれた茶の実を「高山寺」で栽培し始め、茶には修行の邪魔になる眠気を覚ます作用があるため、僧侶たちにすすめられたのだそうです。
石水院の一室では抹茶をいただくことが出来ますので、もちろん一服いただいてきました。
お菓子の包み紙にもお茶券にも「鳥獣人物戯画」が描かれていて、ワクワク。
本当であれば お茶券はお抹茶と引き換えに下げられてしまうのですが、「このお茶券いただいてもいいですか?」とお伺いして、お茶券をいただいてしまいました。
私のわがままを快く受け入れていただいて感謝です。
「鳥獣人物戯画」の描かれた扇子


「高山寺」には いろいろな「鳥獣人物戯画」グッズが並べられていたのですが、以前から特に欲しかったのが、扇子です。
扇子を振ると、ふんわりと和風のいい香り。
子供の頃は定番お土産の1つだった「匂い袋」を思い出します。


裏側もシンプルで素敵。描かれているのはススキでしょうか?
他にも何種類かの扇子がありましたが、落ち着いた色合いのモノを選びました。
「高山寺」公式認定の「鳥獣人物戯画」グッズ

「高山寺」では いろいろな「鳥獣人物戯画」グッズが販売されており、扇子の他にもハンカチと御守りを購入しました。
「高山寺」に限らず、近頃の神社やお寺で売られている御守りやら おみくじやらには可愛いモノが多く、
“あれ可愛い~、これも可愛い~“ と迷うほど。(なんだか煩悩の塊ですね)
今のところ “御守りコレクター”になるのを、なんとか思いとどまってはいますが、神社やお寺を訪ねるたびに危険を感じてはいる今日この頃です。
それはさておき、購入したグッズには全て四角の中に「高山寺」の文字が入っています。
「高山寺」が寺内で販売しているのですから、公式認定グッズということです。
ここでちょっと疑問が、、、
何百年も前に描かれた、しかも作者不詳の絵画に、もはや著作権など無いはずです。
少し調べてみたところ、著作権は期限的に切れているのですが、四角く囲われた「高山寺」の文字などは商標登録されているようです。
描かれている動物だけを商用に使うのなら「高山寺」からわざわざ お咎めを受けることはないのでしょうね。
可愛い「鳥獣人物戯画」の扇子を使いながら、、、

京都の山奥まで出掛けてきましたが、その後同じ扇子がネット販売されていることを知りました。あはは、、、
でも、ひっそりとした山の中の、これまたひっそりとした石水院の中で「鳥獣人物戯画」を見られたこと、
美味しいお茶を愉しめたことは何よりでした。
特に自分へのお土産を求めるのであれば、使うたびに思い出される風景があってこそかもしれませんね。