マーマレードと聞くと、先ずはオレンジを思い浮かべますが、普通のみかんでも美味しいマーマレードが作れます。
本場イギリスでのオレンジマーマレードはさておき、日本では秋から冬にかけて
常にみかんがカゴ盛りされている家庭も多いですよね。(我が家ではそうですけど、もはや昭和の風景?笑)
ちょいと思い立った時や、萎み始めた みかんの大量消費をしたい時、マーマレードを作ってみませんか?
私は甘さ控えめで酸味があるほうが好みなのですが、砂糖を控え過ぎると、日持ちがしにくくなります。
ちなみに、みかんの30%重量の砂糖を入れると3ケ月、50%重量の砂糖を入れると半年保存が出来ます。
我が家の場合は、一度にたくさん作って保存しておくのではなく、”食べたいな” と思った時に、
1瓶におさまるくらいの量(みかん2,3個分)を手軽に作って、2~3週間で食べ切ってしまうのが常です。
今回は無農薬、ノーワックスのみかんが手に入ったので、皮は水洗いしただけで使いましたが、
そうでない場合は 農薬やワックスを落とす作業から始めましょう。
皮の洗い方も書きましたので、参考にして下さいね。
みかんマーマレード - 材料 (1瓶分)

材料はみかんと砂糖、レモン果汁だけです。
みかん 3個(約350g)
実は3個分、皮は1.5個分使用
グラニュー糖 100g(我が家の場合は てんさい糖を使用)
レモン果汁 大さじ2
みかんマーマレード – 作り方


① みかんを水洗いし、皮が変色している部分だけ包丁で取り除いておきます。
② みかんのヘタを取り除き、皮が付いたまま包丁で4つ割りにします。


③ 4つ割りにしたみかんの皮を剥いて、みかんの半量分だけ皮を細切りにしておきます。
オレンジなどと違って、みかんの皮は柔らかくて苦みもほとんどないので、下ごしらえとして茹でたりする必要はありません。
④ 皮を剥いたみかんの実は、中の薄皮や白い筋などを取り除いてはいけません。
煮詰めていくうちに溶けてしまいますし、薄皮や白い筋にこそマーマレードのとろみをつけるための食物繊維
「ペクチン」が含まれていますので、全てそのまま使います。
みかんの実は小房に分けておきます。


⑤ 小房に分けたみかんの実は、大きめの粗みじん切りにするつもりで、ザクザクと切っておきます。
⑥ 切ったみかんの実 (まな板にこぼれ出た果汁ごと)、細切りにした皮、砂糖、レモン果汁を鍋に入れて中火にかけます。


⑦ 沸騰してきたら弱火にして、時々アクをすくい取りながら、煮詰めます。
⑧ みかんの薄皮や白い筋が溶けて、全体にとろみがついてきたら出来上がり。
保存は冷蔵庫に入れて、1ケ月を目途に食べ切ってしまいましょう。
“みかんの皮” についての、あれこれ

マーマレードを作る時に、皮をどのくらい入れるのか?そして、どのくらいの大きさに切るのか?好みが分かれるところです。
本場イギリスでは、大きくカットされた皮がゴロゴロ入っているモノも好まれているらしく、
いろいろ試してみるのも楽しそうです。
私の場合は、みかんの実と同量の皮を使ってみたこともあるのですが、見た目も口当たりも
結構 “皮だらけ” な印象になるな笑、と感じました。
ので、最近ではみかんの実の半量を使うようにしています。
皮の内側に付いている白いワタ部分にも、マーマレードにとろみをつけるためのペクチンが含まれていますので、
逆に言うと、みかんの実の半量以上は使うようにしています。
そして、使わずに残った皮も、捨てたらモッタイナイ!ので、竹ザルに並べて干して 乾かしています。
乾燥させた皮は、お湯を注いでお茶として飲んだり、お風呂で入浴剤にしたり、といろいろ使えます。
特に無農薬みかんは貴重ですから、余すところなく使いたいものです。
みかんの皮 - 農薬やワックスの落とし方

無農薬の表示がないみかんを使用する場合は、皮に付いているかもしれない農薬やワックスを落とすため、
作り始める前に ひと手間かけることをおススメします。
いくつかの方法があるのですが、
〇 塩をふりかけ、皮の表面を塩で削り取るイメージで優しく撫で擦ってから、水でよく洗い流す。
〇 みかんを沸騰したお湯で30秒ほど茹でてから、皮の表面を水でよく洗い流す。
〇 ボウルにみかんが浸るくらいの水を入れたら、食用の重曹を大さじ1程度溶かし入れて
1分ほど浸けたあと、皮の表面を水でよく洗い流す。
など、どれでも自分がやりやすい方法で、皮を洗ってみて下さい。
知れば知るほど奥が深い? – 手作りマーマレード

マーマレードと言えばイギリス。
イギリスでは、生食できないほど酸っぱいスペイン産「セビルオレンジ」を使って作るのが一般的です。
18世紀半ば、大量の「セビルオレンジ」を積み込んだスペインの船が、航海中に暴風雨の被害に遭いました。
避難するために立ち寄ったスコットランドの港で、売り物にならなくなった「セビルオレンジ」は、
地元の貿易商ジェームズ・ケイラーに二束三文で売り渡されました。
ケイラーは買ってから初めて、このオレンジが生食出来ないほど酸っぱいことに気付いて肩を落としたのですが、
彼の母親がオレンジの使い道をあれこれ考えた結果、皮ごとジャムに加工したのです。
このマーマレードは地元で発売された途端に大評判となり、「マーマレード」が商品化されて
広く普及する きっかけとなったということです。
イギリスでは手作りマーマレードの品評会がある程、マーマレード作りが盛んなんですって。
大きな皮がゴロゴロ、、、かなり気になりますね笑
* マーマレード作りに使っている「タダフサ」の包丁についての記事は、こちらからどうぞ。