匠の手しごと

鉄 家具 - ”鉄の可能性”がコンセプトの関市「杉山製作所」

2021年12月1日

鉄製のオブジェ

https://kintsugi-biyori.com

素敵な鉄家具が以前から気になっていた「株式会社 杉山製作所」さんの工場見学をしてきました。

場所は、世界的にも有名な刃物の街、岐阜県の関市。

11月18日、19日、20日の3日間「関の工場参観日2021」にて、30社を超える企業が参加している中での工場見学でした。

「関の工場参観日」は今年で開催8年目を迎えるイベントで、関市の刃物、金物工場を見学できる貴重な機会です。

工場見学だけでなく、各所で楽しいワークショップが用意されていて、あちこち見学しようと思ったら3日間では時間が足りないくらいです。

「杉山製作所」では製作中の様子から、家具をはじめとする数々の完成品まで見ることが出来ました。

"鉄 家具と暮らす” - 岐阜県関市の「杉山製作所」

杉山製作所の鉄製看板
見過ごしてしまいそうな場所に付いていた鉄製看板

「杉山製作所」は "鉄の可能性" という企業理念の元に、こだわりの鉄製家具を製作してみえます。

大型の家具からインテリア小物まで色々ありますが、どれもシンプルであって温かみを感じるモノばかり。

すっきりとしたモダンなインテリアにも似合いますし、温かみのあるナチュラルなインテリアにも似合うと思います。

以前から「杉山製作所」の鉄家具は気になっていたので、今回の工場見学にはワクワクしながら向かいました。

工場には隣接したショールームがあり、イベント中はワークショップを開催しています。

工場から徒歩?秒という位置には、アイアン家具と雑貨のお店「テツクリテ」もありました。

鉄 家具「杉山製作所」 ショールーム見学

ショールームは決して広くは無いのですが、1階と2階に分かれていて、2階のガラス窓からは隣接する工場内が広く見下ろせます。

工場内を見渡すと、もちろん様々な工具は使われているのですが、全て手作業で作っているのが見えました。

以前から気になっていたワークテーブルとスツールは1階に置いてありました。

コンパクトテーブルはキッチンの作業台やリビングの家事スペース、書斎のPC作業台にピッタリだと思います。

テーブルの台、スツールの座面、どちらも古材の一枚板が使われていて、使い古されたような風合いです。

小さなスツールでも2万円を超えますが、手作業で作っていることを考えると随分安いのでは?と思いました。

ほかに目を引いたのが、ショールームのあちこちの壁に掛けられていた壁掛け(ウォールデコ)です。

これだけをシンプルに掛ければ都会的な空間にもぴったりですが、

季節に合わせたドライフラワーや絵葉書、写真などをぺたぺたと貼り付けると可愛いと思います。

星野源さんと新垣結衣さんのドラマにも、この壁掛けが採用されていたようですね。

アレンジ次第で、色々な見せ方が出来る壁掛け(ウォールデコ)です。

鉄 家具「杉山製作所」 ワークショップで「S字フック」作り

ショールームを一通り見学した後、ワークショップに参加させていただきました。

ワークショップは2種類あって、1つは「鉄製ハンガー」を製作するもので、もう1つは鉄の棒を曲げて「S字フック」を作るという簡単なもの。

時間があれば「鉄製ハンガー」を作りたかったのですが、今回は「S字フック」作りをしました。

鉄を手で曲げると聞いて、一体どうやって?と思いましたが、ちゃんと治具(鉄の棒を固定する道具)が用意されていました。

鉄の棒を治具に差し込み、力を掛けて曲げていきます。

オットは腕の力だけで曲げていましたが、私にはちょっと難しく、体ごと使って体重をかけていく感じでなんとか曲げることが出来ました。

出来上がりも、オットが作ったモノは歪みが無いのでテーブルに張り付くように乗っていますが、私の作ったモノはテーブルに乗せて触ると揺れます(笑)

「塗装しないと錆びますよ」と言われましたが、敢えてこのまま庭で使って、朽ちていく感じを楽しもうか?

塗装して室内で使おうか?と、持ち帰った2つの「S字フック」を眺めながら迷っているところです。

鉄 家具「杉山製作所」 工場見学

工場に入るとすぐ目の前に、何メートルもあるような長い鉄の棒が並んでいました。

先ずはその鉄の棒の種類と形に見入ってしまいました。

最初はただの1本の鉄の棒が、切る、曲げる、たたく、つなぐ、削る、と手作業で一つ、一つ、家具の形になっていくのはまさに「職人技」ですね。

今回は、ひじ掛け椅子のひじ掛け部分を加工している様子を見学させていただきました。

バーナーであぶって真っ赤になった鉄を曲げて溶接し、溶接部分を削って滑らかにしていきます。

もちろん職人さんの手元に注目!ですが、背中に会社のロゴが入った上下の作業服が素敵でした。

(私はいつも ”今はそこじゃないでしょ"というところに目が行ってしまう変な癖があるので、すみません、、、)

溶接の仕上げが済んだ部分を触らせてもらいましたが、当然 "つるっつる" でした。

鉄 家具「杉山製作所」 家具から雑貨まで職人のこだわりを感じます

鉄と木を組み合わせたオブジェ

最後に工場近くにある「テツクリテ」というアイアン家具と雑貨のお店を覗いてきました。

「杉山製作所」の製品のみならず、主に関市界隈のご当地雑貨が所狭しと並んでいる、とても可愛いお店でした。

厳選された鉄のフライパンや包丁、インテリア小物だけでなく、プレゼントに喜ばれそうなフードや布小物もありましたよ。

もう1か所、日本刀の製作現場を見学したかったので、これにて「杉山製作所」を後にしましたが、充実した秋のひとときとなりました。

* 歴史ある日本刀の工房「二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場」見学についての記事はこちらからどうぞ。

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